文豪は鬼子と綴る 弐 幻想列車編

著者 嗣人 著
ホノジロトヲジ 画
ジャンル 書籍  > 一般書  > 日本文芸
出版年月日 2025/10/31
ISBN 9784801946644
判型・ページ数 四六・296ページ
定価 1,980円(税込)
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文豪は鬼子と綴る 弐 幻想列車編

内容紹介
著者略歴

其の列車は死者を運ぶ
亡き人に逢いたくば――さぁ、乗るがいい。


ついに香月の秘密が明らかに!


生まれながらに軛を背負う二人が、現世と幽世のあわいを走る幻の豪華列車を追う大正あやかし事件簿

大正十年博多。
正体不明の人気作家・香月蓮の助手を務める中学生・瀬戸春彦は「この世の不可思議なるものを見つけてこい」という主の無理難題に頭を悩ますが、香月の正体を嗅ぎ回る新聞記者の杉山から真夜中に死者を乗せて走るという幽霊列車の目撃情報を得る。
霧の中から忽然と現れては消える幻の豪華列車。しかもあの柳原白蓮が乗っていたとの情報も。
どうしても会いたい故人がいる香月と春彦は真相を突き止めるべく杉山と夜の博多駅に忍び込み、ついに幻の列車に乗車する。
居合わせたのは訳アリの乗客たち、果たして幽霊列車の正体とは……?

訳アリ、美形、偏屈。怪異大好き小説家の香月蓮(こうづきれん)と、
鬼子で、毒舌、優秀。甘味大好き中学生助手の瀬戸春彦(せとはるひこ)。
ともに出自にどうにもならない【呪い】を背負った者同士、
凸凹バディが大正時代の博多を舞台に躍動する耽美なホラーミステリー、第2弾!!


 改札を抜けて発着場へ出ると、そこには荘厳な蒸気機関車に牽引された、豪華絢爛な車輌五両が停車していた。深青色の光沢が電灯の光を弾いて、まるで七宝焼きのような輝きを放っている。

「……帰って来られると思いますか?」
 僕の問いに香月がこちらを振り向く。
「どうした? 恐ろしくなったのか?」

 列車がぐん、と前へ大きく動き出し、車輌が揺れると木の軋む音がした。加速はゆっくりと、だが確実に前へと進み始める。前方で蒸気の噴出する音がした。
「春彦。私も同じだ。ひと目会いたい者がいる。その為に、この列車へ乗ることを決めたのだ」

――本文より

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嗣人
嗣人(つぐひと)

熊本県荒尾市出身、福岡県在住。温泉県にある大学の文学部史学科を卒業。在学中は民俗学研究室に所属。2010年よりWeb上で夜行堂奇譚を執筆中。妻と娘2人と暮らす専業作家。著作に『四ツ山鬼談』『文豪は鬼子と綴る』『霧の出る森』(竹書房)、『夜行堂奇譚』シリーズ、『天神さまの花いちもんめ』『穂束栞は夜を視る』『カナエトメイ』『木山千景ノ怪顧録』(産業編集センター)、『イヴたちの楽園 藤紫乃女学園の怪異譚』(PHP研究所)など。
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