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花と蛇 第四集
内容紹介
落ちる、落ちる、深い、深い、地の底へ。奇妙な触角を持った蟲たちが蠢く地の底。地上の牢獄を逃れ、真の処女性を求めた蟲たちの
安息の地。かれらの触角が遠慮なく躯を纏う。唇は湿り気を帯び、華奢な足首は悦楽に震え出す。勢いづいた蟲たちは、躯中の穴という穴から潜り込む。わななく肉、誰はばからぬ悦び、花弁はぬるりと溶け出す。もはや地上での形体は維持できない。グレゴール・ザムザのように変身してしまった。かれと違うのは、嫌われず、恐れられず、厄介者ともされない。蟲たちに愛されていた。無窮の愛を全身に感じていた。これを堕ちるというのだろうか。ならば全肯定しましょう。どこまでも堕ちる。堕ちて、堕ちて…。そして、多淫なビーナスになりましょう。
安息の地。かれらの触角が遠慮なく躯を纏う。唇は湿り気を帯び、華奢な足首は悦楽に震え出す。勢いづいた蟲たちは、躯中の穴という穴から潜り込む。わななく肉、誰はばからぬ悦び、花弁はぬるりと溶け出す。もはや地上での形体は維持できない。グレゴール・ザムザのように変身してしまった。かれと違うのは、嫌われず、恐れられず、厄介者ともされない。蟲たちに愛されていた。無窮の愛を全身に感じていた。これを堕ちるというのだろうか。ならば全肯定しましょう。どこまでも堕ちる。堕ちて、堕ちて…。そして、多淫なビーナスになりましょう。
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